団地の植生⑦柏
柏町の名にしおう柏の木は、団地に一本だけある。
貴重な木である。
柏町一丁目から五丁目まで、注意して見ているけれど柏の木を見たことがない。
柏町というからには柏の木が多かったのではないのか?
どうやらそうではなくて砂川町が立川に合併されたとき、砂川闘争の悪名を断ち切るべく柏、幸、若葉といった名前を選んだようだ。
十号棟の前にある柏の木は、いま瀕死の状態にある。
前からどんぐりがならないかとみていたがその気配はなくまったく元気がない。
大欅に養分を取られているのか陽が当たらないのか。
目くじらを立ててもしょうがない、元来柏という名前は、アカメガシワやコノテガシワのように多くの松柏類を指す名前らしいから。
それにしても一本だけの柏、何とか元気を取り戻してほしいものである。
(牛鳴)